地学実験の記録
2019年度後期前半(その1:10月4日〜10月11日)

2019年10月4日:ガイダンス(地学学生実験室)

 午前中のうちに実験室の掃除と片付けを終えておいた.7月に活躍してくれた扇風機もしまい込むことにした.


 温帯低気圧の接近のため金沢は昨夜から暴風雨が吹き荒れていた.やみそうな気配はまったくない.

 学生たちに使ってもらう地質調査用具や野帳なども人数分を用意しておいた.

 午後1時から今学期最初の学生実験をはじめた.今学期の履修登録者は定員いっぱいの24名.さまざまな学類の学生たちがいた.実験室でこの授業の概要を説明し,それから調査用具などを配付した.ひきつづいてキャンパスの散策と歩測の実習を行う予定だったが,午前中とかわらずの悪天候だったため野外活動は中止した.

2019年10月12日:野外調査実習1(金沢市野田山)

 台風19号が接近中だったが天気はぎりぎりでもってくれた.実験室での今日の実習内容の説明ののち,前回の授業では雨のためできなかった歩測の練習を総合教育2号館前で実施し,それから大学のマイクロバスに全員で乗り込んだ.


 マイクロバスは角間キャンパスを抜けて田上へ.

 山側環状道路を野田山方向へ.

 マイクロバスが乗車定員いっぱいで重いため,いつもの大乗寺からではなく,ぐっと大回りして平和町から小牛田経由で野田山へ移動した.

 実習地の野田山に到着後はまず現在位置の確認から.それから林道に沿って露頭を探しながら歩いた.

 最初の露頭は林道沿いにある.学生たちにこの露頭の位置を地図に落とすように指示する.

 それから約20分間の自由観察時間にした.この露頭には卯辰山層の円礫岩を観察することができる.

 ほとんどはじめての地質調査とあって学生たちは露頭をおそるおそる叩いていた.拾ってきた巨礫をハンマーで割ろうとこころみるグループもいた.

 ここでは淘汰のわるい円礫岩をみることができる.基質は粗粒砂あるいは泥からなる.学生たちの動きもだんだん活発になってきた.

 しゃがみこんで観察を続ける学生たち.自由時間後にこの露頭で見ることができる地層について解説し,それから次の露頭へと林道を歩いた.

 林道にそって露頭がいくつか存在するが,いずれも密な竹藪の奥だったり立入禁止の柵ができていたりで実習には不向きだった.そのため,林道をかなり下ったところにある露頭で足を止めた.

 ここには大桑層の黄褐色細粒砂岩が露出する.ここでも学生たちに20分間ほどの自由観察時間をあたえた.

 貝化石がみつかるときいて学生たちは熱心に露頭を掘っていた.ひとりの学生がさっそく貝の印象化石をみつけだした.

 左右の露頭にわかれた観察を続ける学生たち.

 この時間を利用してドローンをあげ,今日のルート解説用の写真を撮っておいた.

 大型車両の通行が今日はやたらと多い.ほとんど5分おきくらいにやってくる.

 露頭にはりついて観察をつづける学生たち.

 3番目の露頭は砂岩の露頭から林道をややくだったところにある.ここでは御峰層の泥岩をみることができる.

 泥岩のなめらかな手触りを学生たちはそれぞれにたしかめていた.

 最後の露頭から駐車場で待っているマイクロバスまでの距離を歩測で測ってもらうことにした.学生たちはもくもくと林道を引き返していった.

 10分ほどで野田山駐車場のマイクロバスに到着.それぞれに測った距離は野帳に記入しておいてもらった.

 マイクロバスに乗り込んで角間キャンパスへ引き返した.大乗寺前の坂を山側環状道路へとくだる.

 山側環状道路から県道へ,そして角間キャンパスへ.総合教育棟に戻ってきたのは午後4時だった.

 次回の予定を学生実験室で学生たちに伝えて今日の実習が終了した.

  • Camera: Pentax Optio W60, Pentax Optio W30, Ricoh WG-4GPS and Asus Zenpad Z300M
  • Lens: SMC Pentax 5.0-25.0mm f.3.5-5.5, SMC Pentax 6.3-18.9mm f.3.3-4 and SMC Pentax 4.5-18mm f.2.0-4.9