地学実験の記録
2021年度第2クォーター(その1:6月11日〜6月18日)

2021年6月11日:ガイダンス,野外調査準備(金沢大学角間キャンパス)

 新型コロナウイルス問題がいまだに継続中ながらも,実験室に十分な広さがあって換気設備もとどのっていることから,予定どおりに学生実験室での授業を実施することができた.午前中のうちに室内をアルコールで消毒しておいた.

 今学期の履修者は23名.実験室での授業概要の説明と実習用具の配付ののちに総合教育2号館前での歩測実習を行った.


 それから地形観察をかねてのキャンパスの散策.

 北地区運動場を経由して北尾根へ.

 角間キャンパスの地形や人工的な地形の改変,戸室山のことなどをここで説明した.

 6月もなかばとあって植生が深い.学生たちには地形に気をくばりながらスケッチをとるように指示した.

 植生のために地形の全容がわかりづらいため,ここでドローンを使ってキャンパスの地形を撮影しておいた.

 北尾根の学生たち.

 大学のキャンパスとは思えないほどの自然にかこまれている.

 北尾根から見下ろす角間キャンパス.

 学生実験室に戻って観察結果をまとめてもらい初回の実習終了.

2021年6月18日:野外調査実習1(金沢市野田山)

 大学のバスの予約がとれたため当初の予定を変更して1回目の野外調査実習に出かけた.午後から雨との予報だったが天気はぎりぎりでもってくれそうだった.午後1時15分からの実験室での説明ののちに大学の大型バスで野田山の実習地へ移動した.


 角間から杜の里経由で山側環状道路へ.

 野田山墓地の中をバスがあがっていく.

 午後1時50分に林道の入口に到着.ここでバスを降りてまずは現在位置の確認から.

 現在の位置を学生たち全員が地形図におとしたことを確認し林道を歩いた.

 最初の露頭は林道を200メートルほど歩いたところの道路際にある.地層や堆積岩についてのおおまかな説明ののちに学生たちに自由観察時間を与えた.

 ここには高位砂礫層が露出する.淘汰がきわめてわるい円礫の隙間を泥や砂が埋めている.学生たちは距離をとっての観察ののちに露頭を調べはじめた.ハンマーの使い方などはまだおっかなびっくりだった.

 せまい林道ながらも大型車の通行がおおいため,TAの院生が車の接近にはずっと注意をはらっていてくれる.

 自由観察時間の終了後にこの露頭について説明し,それから次の露頭へ林道をくだっていった.林道の途中には砂岩と礫岩の不整合面が観察できるいい露頭があるが,イノシシ対策のためなのか入口が竹の柵でふさがれていた.

 林道をさらにあるいて2番目の露頭へ.初夏とあって植生の繁茂がいちじるしい.

 2番目の露頭には大桑層の黄褐色砂岩が露出する.学生たちは左右の露頭にわかれて観察をはじめた.

 何人かの学生が貝の印象化石をみつけだした.ほかの学生たちも化石探しに夢中になっていた.

 大型車両の通行がいつもながらにおおい.

 ここでドローンをあげておさらい用の画像を撮っておいた.約60メートル上空からみる学生たち.

 今日の地層観察ルートの写真を撮っておく.

 とおく金沢市外と日本海がみえたが大気の透明度はいまひとつ.

 3番目の露頭は2番目からほど遠からずのところにある.ここには御峰層の泥岩が露出する.

 泥岩の手触りを学生たちにしっかりとたしかめてもらう.

 午後3時40分に露頭観察終了.ここからバスまでの距離を歩測で測りながら引き返してもらった.

 黙り込んで林道を歩く学生たち.10分ほどでバスに到着.

 野田山墓地から山側環状道路へ.

 そして角間キャンパスへ.

 学生実験室に戻ったのは午後4時15分.その後に今日の実習内容のおさらいをやって終了.

  • Camera: Ricoh WG-4 GPS Blue and DJI Spark
  • Lens: Ricoh Lens 4.5-18mm f.2.0-4.9