地学実験の記録
2022年度第3クォーター(その1:10月7日〜10月14日)

2022年10月7日:ガイダンス,野外調査準備(金沢大学角間キャンパス)

 小さな教室に引っ越して2回目の地学実験の授業.履修者はほぼ定員の17名.かつては学生実験資料室だった学生実験室で,まずは授業の概要説明とハンマーなどの実習用具を配付した.その後に総合教育2号館前での歩測実習とキャンパスの散策を行う予定だったが,朝から降りつづく雨のため3限のみで今日はおしまいとした..


 午後3時前に今日の学生実験が終了した.

2022年10月14日:野外調査実習1(金沢市野田山)

 今日の地学実験は秋晴れのいい天気にめぐまれた.大学のマイクロバスの予約もとれていたので,予定どおりバスを利用しての野外調査実習にでかけた.学生実験室での説明ののちに受講生たちとバスに乗り込んで野田山の実習地へ向かった.


 角間キャンパスの樹木はそのかなりが色づいていた.田上をとおって山側環状道路へ.

 山側環状道路から野田山墓地がある坂をのぼる.

 野田山公園の駐車場でバスを降りる.ここでまず現在地の確認を地形図上で行ってもらう.

 平栗へとつづく林道を学生たちと歩いた.イノシシよけの破裂音がときどき野田山にひびく.

 しばらく歩いたところで林道沿いの最初の露頭に到着した.学生たちにはここで20分間の自由観察時間をあたえた.

 おそらく生まれて初めての地質調査とあって,学生たちはおっかなびっくりで地層を掘ったり叩いたりしていた.

 ここに分布するのは更新統の高位段丘堆積物.もしかしたら卯辰山層の一部かもしれない.淘汰のわるい円礫岩だ.

 学生たちは掘り出した礫をハンマーで割ったりしている.ハンマーのあつかいにもかなりなれてきたようだ.自由観察時間後にこの地層について,また礫岩について説明し次の露頭へ移動した.

 秋の日差しがここちよい.林道を学生たちと歩きながら,途中でみることができる地形や地層について説明した.

 この林道がやや広くなるところにふたつめの露頭がある.ここでも学生たちに自由観察時間を与えた.

 学生たちはふたてに分かれて観察を監視した.ここに分布するのは前期更新世の海成層である大桑層.泥といってもいいほどに細粒の黄褐色砂岩からできている.

 化石がたまにみつかることを説明すると,学生たちの熱意がぐっとあがったようだった.

 お手本となる二枚貝の印象化石をさいわいにもみつけることができた.

 学生たちの自由観察の時間を利用してドローンをあげた.

 いままでに歩いてきたルートと,これからいくあたりが入るように写真をとっておく.地形がよくわかるようなアングルをこころがける.

 この丘陵の反対側や金沢市がみえる方向の写真もついでに撮っておく.

 何人かの学生たちが二枚貝や巻き貝の印象化石をみつけていた.ここでも,この地層や砂岩について説明した.

 林道をさらに歩いて3番目の露頭へ移動した.

 ほんの少し歩いたところに泥岩の露頭がある.風化がはげしくて白くなっている.風化のために脆弱になってもいる.

 この露頭では学生たちに泥岩とは何かを理解してもらい,とくにその手触りや産業での重要性について説明しておいた.

 午後3時半近くになったので駐車場へひきかえすことにした.これまでに歩いてきた林道を学生たちとひきかえす.

 曲がりくねった坂をのぼり,竹林の中をぬける.

 駐車場で大学のマイクロバスに乗って角間キャンパスへ.

 野田山墓地の道路から山側環状道路へ.

 山側環状道路のトンネルを抜ける.

 もりの里で県道井波線へ.県道沿いの樹木の紅葉もすすんでいた.

 そして角間キャンパスの総合教育1号館へ.

 学生実験室に戻ったのは午後4時少し前だった.学生実験室での今日のおさらいののちに今日の実験終了.

  • Camera: Ricoh WG-5 GPS Gunmetari, Ricoh WG-5 GPS Orange and DJI Mavic Mini
  • Lens: Ricoh Lens 4.5-18mm f.2.0-4.9