地学実験の記録
2022年度第3クォーター(その2:10月21日〜11月4日)

2022年10月21日:野外調査実習2(金沢市大桑町)

 今日の地学実験も秋晴れのいい天気にめぐまれた.予定どおりの大学の大型バスを利用しての野外調査実習.カンボジア工科大学からの留学生3名の飛び入り参加もあった.学生実験室での説明ののちに受講生たちとバスが待つ総合教育1号館へ歩いた.


 紅葉がさらに進んだ角間キャンパスを出発

 田上をとおって山側環状道路へ.このあたりは昨日ツキノワグマが出現したところだ.

 山側環状道路から涌波の台地へあがる.

 大桑町の犀川の河原にある簡易野球場へ小径をくだる.

 簡易野球場の駐車場で今日の実習の注意点や化石の採集方法を説明してから実習地へ移動した.

 犀川の水位はとてもひくかった.それに加えて8月の増水で河床の植生がほとんど洗い流されたため,実習地の河原はまさに全面露頭だった.

 学生たちは思い思いの場所で化石を掘り始めた.

 カンボジア工科大学の学生たちも元気に化石を掘っている.

 犀川の増水のおかげで大桑層の化石層がじつにきれいに洗い出されていた.

 秋晴れのいい天気のもとで作業を続ける学生たち.

 河原の植生がなくなったおかげで学生たちの作業を見まもるTAたちの仕事も楽になっていた.

 学生たちの動きもだんだん手慣れたものになってきた.

 河原の露頭の表面には洗い出された化石の断面がきれいにみえている.

 おおきなホタテガイの化石がみつかっていた.

 ここでドローンをあげて今日の実習のおさらい用の写真を撮っておくことにした.

 植生がすっかりなくなった実習地のようすがよくわかる.

 今日の実習地のおおよその全景.

 真上からみた実習地.

 次回の実習地のあたりの画像も撮っておいた.

 犀川の水位がとても低い.次回の実習地も全面露頭になっている.

 ドローンをもどすと大桑のショッピングエリアから金沢市の中心部までがみえた.

 上流側からみた今日の実習地.

 露頭のうえで化石を採集する学生たち.

 学生たちは化石採集の作業をつづけていたが,だんだんとくたびれてきたようでもあった.

 それとともにあたたかかった気温もだんだん下がってきた.そのため午後3時半に作業終了.

 採集した化石を古新聞紙とビニール袋でしっかりと包み込んで現場をひきあげる.

 駐車場で待っていてくれた大学のバスに乗り込んで角間キャンパスへ.

 大桑簡易野球場の紅葉はとてもきれいだ.

 山側環状道路から田上へ.

 角間キャンパスへ.

 県道をとおって北地区へ.

 周回道路をとおって総合教育棟へ.ここでバスを降りて地学学生実験室へ.

 採集してきた化石の後片付けを指示して実習終了.

2022年11月4日:野外調査実習3(金沢市大桑町)

 気温が低くて空一面に雲が広がる肌寒い天気だったが,さいわいにも雨が降ってきそうな気配はなかった.そこで予定どおりに3回目の野外調査実習に出かけることにした.午後1時からの学生実験室での説明ののちに大学のマイクロバスに全員で乗り込んで実習地へ出発した.


 角間キャンパス南地区を通り抜けて田上へ.このあたりでのクマの出没が最近は多い.

 山側環状道路から涌波の台地へあがる.

 台地から大桑簡易野球場のある犀川の河原へと小径をくだっていく.

 大桑貝殻橋のたもとでバスを降りた.学生たちにはここでまず現在地の確認を行ったもらった.前回の実習地にほど近いこともあってこの作業はすぐに終わった.

 それから全員で実習地へ移動した.大桑貝殻橋から100メートルほど上流の犀川の河床だ.

 犀川の水位はとても低かった.河床のほぼすべてがいい露頭になっている.

 ここでまず20分間の自由観察時間とした.学生たちには地層がどのような物質でできているか,また,どのようなものが含まれているかに注意するように指示した.ここには中新統犀川層の凝灰質砂岩が分布する.

 河床いっぱいにひろがって観察を始める学生たち.そのようすをみながらこの地層に含まれているものを画像で記録しておいた.まずは炭化した植物の破片.

 発泡不良ながらもよく円磨された白色軽石もあちこちで発見される.

 巣穴痕などの生痕化石が内部に発達する植物破片化石.

 合弁の二枚貝の化石もあちこちでみつかる.

 生痕化石が内部に発達する泥岩の岩片.もともとは泥岩層がここにあったのかもしれない.

 保存状態のいいホタテガイの化石がノジュールのへりにあった.

 河床のへりには犀川の河床堆積物の断面がきれいに露出していた.下位の円礫層と上位の砂層.円礫層には不明瞭ながらもインブリケーションが観察される.

 学生たちを集めてここで観察される地層について解説し,それから下流へ全員で移動した.

 大桑貝殻橋から20メートルほど上流の地点を2番目の観察地とした.ここには下部更新統大桑層の砂質泥岩が露出する.この地層の時代や岩相などの特徴をまず説明し,最初にみた犀川層と比較したうえで,両者の不整合面を学生たちに探してもらうことにした.

 学生たちは足下の地層を観察しながら上流へゆっくりと移動していった.

 ドローンをあげて学生たちの動きをみてみた.

 不整合面がある地形の変換点あたりにゆっくりと移動していく学生たち.

 真上から写真をとって地形観察のおさらい用の画像とした.

 しばらくすると学生たちが河床の段差のあたりに集まってきた.

 このあたりとの検討はつけているようだが,正確な不整合面の認定にまではいたっていないようだった.

 ドローンを回収して学生たちが集まっているあたりへ歩く.

 このあたりには大桑層下部の泥質砂岩が分布する.こまかい植物化石が含まれている.

 この凹地をはさんで河床の微地形が異なることや岩相もおおきくかわることを説明した.

 さらには基底礫岩についても説明しておいた.

 学生たちとさらに下流へ移動し,大桑貝殻橋の真下あたりで恒例となったサメの歯の化石探し.

 そのあいだに橋の直下あたりの露頭をみておいた.凝灰岩の大部分は河床の礫で被われてみえなくなっていた.

 そのやや上位あたりはよくみえていたが,植物化石の薄層はやはりみつからなかった.

 なんともふしぎな植物化石のかたまりがあった.

 グロテスクともいえるほどに生痕化石が発達している.

 サメの葉の化石をみつけた学生は今回もゼロだった.これまでに数百人がチャレンジしたはずだが,成果があったのはいまだにひとりだけ.制限時間がきたので全員で現地を引き上げる.

 大桑簡易野球場の駐車場で待っていてくれたバスに乗り込んで角間キャンパスへ.野球場の紅葉がみごとだった.

 涌波台地の道路から涌波トンネルを抜けて山側環状道路へ.

 山側環状道路から田上へ.

 田上から角間キャンパス南地区をとおって中地区,北地区へ.

 総合教育2号館についたのは午後3時半だった.学生実験室でまとめの説明を行って今日の実験が終わった.

 北地区から南地区へ戻るときに空にかかるみごとな虹がみえた.

 場所をかえたら半円形のほぼすべてをみることができた.

 植物園にちょっとたちよってのちにハードラボ2へ.

  • Camera: Pentax Optio WG-2 Shining Blue, Ricoh WG-6 Orange, WG-7 Red, and DJI Mavic Pro and Spark
  • Lens: SMC Pentax 5.0-25.0 mm f.3.5-5.5, Ricoh Lens 4.5-18mm f3.5-5.5.