地学実験の記録
2022年度第3クォーター(その4:11月25日〜12月2日)

2022年11月25日:野外調査実習6(金沢市角間町)

 今日も秋晴れのいい天気にめぐまれた.これほどまでに天気に恵まれたことは記憶にない.そのおかげで予定どおりに角間キャンパス内での野外調査実習に出かけることができた.学生実験室での説明ののちに学生たちと外へ出た.県道井波線,通称角間坂を若松方面へまず歩いてくだった.


 その途中の切り通しのあたりに露頭がある.ここには貝化石を含む青灰色細粒砂岩が露出する.

 ただ,露頭の前がかなり深いぬかるみになっているため,ここでは学生たちに岩相を説明するだけにとどめておいた.

 坂道をさらに下ってコンビニエンスストアの向かいあたりにある沢の入口に移動した.

 ここで沢の中に学生たちと入った.沢の中に先にはいると学生たちがあとからちゃんとついてきた.

 先週の地球社会基盤工学3年生の授業でもここを歩いていたため植生が踏み固められていてわりと歩きやすくなっていた.

 ここにも貝化石を含む青灰色細粒砂岩が露出する.学生たちにはそれぞれに地層を監察してもらった.

 沢から脱出して県道へ.

 県道を歩いてキャンパス方向へ引き返し,途中のコンビニエンスストアのところで南地区へつうじる道路に入った.

 角間川を見下ろしながら歩き,その先にある里山ゾーンのハナンジャコ口へ.

 特別入山許可をもらっていたので,今回は里山ゾーンの中へまず入った.落ち葉が厚く積もった林道を沢に向かって歩く.

 沢へと下る林道の途中に露頭がある.

 ここには卯辰山層の含礫砂岩が露出する.化石はまったくない.

 秋のあたたかい日差しの中での活動を学生たちは楽しんでいたようだった.

 監察を終えて林道をひきかえす.

 自動車道路を横切って角間の里へ.

 角間の里でひと休み.

 きれいな蜂の巣が置いてあった.

 角間の里から角間キャンパス北地区へと自動車道路の歩道側を歩く.

 金沢大学中央のバス停から北地区へ.

 ここで地盤の変状について解説しておいた.

 学生実験室でこれまでの野外実習のデータを各自でとりまとめて実験終了.

2022年12月2日:古生物学実習(金沢大学総合教育2号館地学学生実験室)

 今学期最後の地学実験の授業は古生物学実習.金沢市大桑で学生たちが採集した貝化石の整形と鑑定の実習.学生実験室で化石の整形についてまず説明し,それから作業の道具を配付したうえで,さっそく作業に取りかかってもらった.


 千枚通しと豚毛の歯ブラシを使って貝化石から砂をそっととりのぞく作業だ.こわれやすい巻貝のときはかなりの神経を使う.

 ひと月ほど前に採集した貝化石だけにすっかり乾いて作業への支障はなかった.

 TAのふたりが作業を見まもってくれる.化石が割れる音が聞こえたら瞬間接着剤をもって走ってくれる.

 きれいなツノガイの化石も見つかっていた.

 整形を終えたらスケッチをとり,図鑑と照らし合わせて種を同定.

 これで今学期の実験予定がすべて終了.

  • Camera: Ricoh WG-5 Gunmetaric and Ricoh WG-6 Orange
  • Lens: Ricoh Zoom Lens 4.5-18mm f.2.0-4.5