地学実験の記録
2022年度第3クォーター(その3:11月11日〜11月18日)

2022年11月11日:野外調査実習4(金沢市小二又町)

 今日も秋晴れのいい天気にめぐまれた.今年の地学実験はとにかく天気にめぐまれている気がする.予定どおりの大学のバスを利用しての野外調査実習.学生実験室での説明ののちに学生たちとバスが待つ総合教育1号館へ歩いた.


 今日の実習地は角間キャンパスの北にある金沢市小二又町.これまでとはちがって北地区の周回道路を時計回りにバスは走る.

 県道井波線を北へ.

 とおくに戸室山がみえてくる.

 途中の分岐路を小二又町方面へ.分岐路から入ってすぐの金腐川のあたりでバスを降りた.

 金腐川の河岸を学生たちと眺める.かつては全面露頭だったがすっかり植生に覆われてしまった.

 ここには貝化石を産出する青灰色の砂岩がかつて露出していたこと,地層が南へゆるく傾斜していたことを学生たちに伝えた.

 金腐川沿いの道路を下流方向へ歩いた.

 その途中で地すべり地形について説明しておいた.

 不気味なかかしやイノシシの罠が道路沿いにおいてある.

 ふたつめの露頭も植生に深く覆われていて観察することができなかった.ここで観察される地層について口頭で説明しておいた.

 道路をさらに歩いて3番目の露頭へ.

 金腐川にかかる小さな橋を渡って右岸に移動する.

 3番目の露頭は道路の待避帯の奥にある.ここで20分間の自由観察時間とした.

 やっとさわることのできる地層を学生たちがハンマーで叩きはじめた.露頭左右でのちがいに留意するように伝えた.

 ここでおさらい画像の撮影のためにドローンをあげた.

 ずっととおくの小二又町の集落のあたりに最終目的地の大露頭がみえる.

 ドローンの高度をあげると大露頭の全容や集落との位置関係などがみえてくる.

 周囲の山の紅葉はかなりすすんでいた.

 反対側をみると戸室山を背景に,今日のルートがみえてきた.

 真上からみた3番目の観察地.

 ドローンを少し飛ばして大露頭へちかづけてみた.

 ドローンを回収する.

 この露頭では右側に貝化石を含まない青灰色の砂質泥岩が露出する.地層は南へゆるやかに傾斜している.

 一方の左側には白色軽石を含む凝灰岩が露出する.上位の砂質泥岩とは不整合関係にある.

 小二又町の集落へはいる直前に地層の傾斜がほぼ水平になるところを学生たちにみせるつもりだったが,残念ながらの植生でそれができなかった.

 小二又町の集落を歩いた.

 黄色くなったいちょうがきれいだった.

 小二又町のバス停をとおって4番目の露頭へ.

 ここに露出するのは上涌波凝灰岩の主部.白色軽石を多量に含む火砕流堆積物だ.

 凝灰岩の手触りを学生たちは確認していた.火砕流噴火についてここで解説しておく.

 その奥にある畑から大露頭を学生たちと遠目にながめた.

 大学のマイクロバスに乗車して角間キャンパスへ.

 今日の実習ルートに沿ってバスは走っていく.

 時間があったので戸室山を見学していくことにした.小二又の三叉路を戸室新保に向かって橋ってもらった.

 廃棄物処理場のあたりでバスをとめて戸室火山の形成史や崩壊堆積物について説明する.

 俵町を通って角間キャンパスへ.

 対応が丘のメタセコイア並木に立ち寄る.

 紅葉がきれいだった.

 メタセコイア並木をひきかえして角間キャンパスへ.

 午後3時半に角間キャンパスの総合教育2号館に到着.学生実験室で今日の実習内容をまとめて終了.

 角間キャンパスの樹木が冬っぽくなってきた.1枚だけ残った葉がなんだかものがなしい.

 

2022年11月18日:野外調査実習5(金沢市釣部)

 大学のバスを利用しての野外実習の最終回だった.今日も秋晴れのいい天気にめぐまれた.午後1時からの総合教育2号館の学生実験室での説明ののちに,学生たちと1号館前の大学のバスへ移動した.


 午後1時15分に角間キャンパスをバスで出発.中央のバス停を左折.

 県道をまず東へ走る.戸室山の崩壊面が正面にみえてくる.

 小二又の交差点で金腐川沿いの県道へ.

 小二又の集落をとおってさらに北西へ.

 トンネルを抜けて金沢市釣部へ.

 石川ライト工業の工場に到着.角間キャンパスから約15分の距離だった.

 この日は石川ライト工業の採石現場での実習だった.案内の軽トラックにくっついて採石現場へバスのまま移動する.

 とおりすがりにいい露頭がみえてくる.

 採石の現場でバスをおりてまず最初の露頭の観察.ここには上涌波凝灰岩の白色凝灰岩がきれいに露出する.

 前回の最後に小二又のバス停でみた露頭との岩相上の比較してもらう.

 とおくにみえる大露頭へ学生たちと歩いた.

 その途中で採石現場を見下ろしてみる.

 この大露頭の基底部には砂質の泥岩が露出する.前回の小二又ルートでみたものとの類似点が多い.

 砂質泥岩ながらも層準によっては直径が数センチにもなる火山岩の礫が多量に散在する.

 露頭にそって北へ歩いた.

 学生たちがあとから歩いてくる.

 ちょっとした斜面をのぼって露頭の上の方へと移動した.

 ここには貝化石の破片を多量に含む細粒砂岩がある.

 砂岩の観察終了後に,これまでにみたものをおさらいしながらバスへ戻った.

 砂質泥岩はこんなところにも露出する.

 バスに乗って工場へ移動した.

 工場の中を見学させていただいた.

 見学後はバスに乗って角間キャンパスへ.

 小二又の集落を抜ける.

 前回の観察地点を通りすぎる.

 県道へ.

 すぐに角間キャンパスがみえてくる.

 北の周回道路をとおって総合教育1号館へ.

 今日のおさらいを学生実験室で.

  • Camera: Pentax Optio WG-2 Shining Blue, Ricoh WG-5 Gunmetaric, Pentax K-5 and DJI Spark
  • Lens: SMC Pentax 5.0-25.0 mm f.3.5-5.5, Ricoh Zoom Lens 4.5-18mm f.2.0-4.5 and SMC Pentax DA 18-135mm f.2.8-5.6