地学実験の記録
2023年度第2クォーター(その3:7月21日〜7月28日)

2023年7月21日:野外調査実習4(金沢市角間,金沢大学角間キャンパス)

 今日の地学実験での野外調査実習は角間キャンパスでの実施予定だった.露頭状況をたしかめるために早朝のうちにポンプ室よこの沢を訪れた.


 ここしばらくの雨と高温のせいか露頭は植生ですっかり覆いつくされていた.この奥には化石を産する砂岩があるだけに残念だ.


 午後1時に地学実験の授業開始.総合教育2号館の地学学生実験室で学生たちに今日の予定と注意点を伝え,それから全員で外にでた.

 総合教育棟から北地区の周回道路をとおって県道井波線に沿って杜の里方面へ歩いた.

 その途中の林の奥に露頭がある.しかしながら,手前にあるおおきなぬかるみのために露頭へ近づくことができない.

 ここは遠目からの観察にとどめてもらった.

 県道井波線を杜の里方面へさらに歩く.コンビニをすぎてしばらく歩くと左手にポンプ室がみえてくる.

 露頭状況は早朝のとおりだった.ふかい植生のため何もみることができない.学生たちにはここでみることができる地層について口頭で説明しておいた.

 県道を角間キャンパス方向に引き返した.

 コンビニのところで自然科学研究科棟方面へ.角間大橋を渡ってしばらく歩く.

 ハナンジャコ口から角間キャンパスの里山ゾーンに入った.特別入山許可は取得してあったがクマ出没注意の看板にはやはり緊張する.

 林道を奥へと歩く.

 沢のほうへくだっていく.

 沢の中にはせまいながらも畑ができていた.ただ,手入れがなされていないため雑草だらけだった.

 林道沿いの切り割りに地層が露出する.ここで観察されるのは卯辰山層の含礫砂岩.

 ここでしばらく自由観察時間をもうけた.

 自由観察時間の終了後に地層について解説し,それから角間キャンパスへ歩いた.

 ハナンジャコ口で道路を横断し反対側の森にはいる.

 斜面をくだったところに角間の里がある.

 角間の里でひと休みしたのちにキャンパス方面へ.

 このあたりの角間川の河岸で貝化石がみつかることを学生たちに伝える.

 県道をあるいて角間の中央交差点へ.

 そこから階段をのぼって北地区へ.

 総合教育棟へ.

 地学学生実験室で今日のデータをまとめてもらって今日の地学実験終了.

2023年7月28日:野外調査実習5(金沢市小二又)

 今学期の地学実験では最後となる大学のバスを利用しての野外実習の日だった.午後1時からの学生実験室での説明後に学生たちとバスに乗り込んで金腐川の上流となる金沢市小二又の実習地へ移動した.キャンパスのイチョウがすでに色づきはじめていた.


 朝から猛暑の一日だった.県道井波線沿いの緑が色濃い.


 とおくにみえる戸室山も緑一色になっている.

 金腐川沿いの道路でバスを下りて実習開始.最後の野外調査実習とあって,今日は川に沿って歩きながらのやや実際的な実習を予定していた.学生たちはまず現在位置を地図上で確認する.

 ただし,このあたりの露頭は深い植生にすっかり覆われていて地層らしきものはまったくみえない.植生がないときにここでみることができる地層について口頭で説明しておく.

 下流に向かって学生たちと道路を歩いた.右手にみえる地形が地すべりに典型的なものであることをここで説明する.

 左手にあるはずの露頭も植生にすっかり覆われ尽くしていた.ここで観察することができる地層についてここでも口頭で説明しておいた.

 緑の中にはイノシシの罠がしかけてある.軽石を積み上げた山があったりもする.

 金腐川をわたって右岸へ移動.


 橋を渡ってすぐの待避帯にはいった.奥の崖に沿って地層が露出する.ここで学生たちには20分間の自由観察時間をあたえた.露頭の左右での岩相のちがいに気をつけるように伝えておいた.

 学生たちは露頭の前にちらばって観察をはじめた.この露頭の左側には軽石質の凝灰岩が露出する.このあたりの鍵層として有効な上涌波凝灰岩になる.

 右側には白色軽石や砂粒子に富む青灰色の泥岩が分布する.

 この両者を観察しながら,青灰色泥岩が軽石質凝灰岩の上に重なることや,両者が美南へゆるく駅舎することを学生たちに確認してもらった.

 小二又の集落へ向かって歩いた.

 集落の入口あたりでゆるい背斜構造の存在を学生たちに伝えた.


 集落を抜ける.

 小二又のバス停近くの道路沿いに軽石質凝灰岩の露頭がある.

 ここに分布するのも上涌波凝灰岩だ.学生たちに凝灰岩の脆弱な岩相を確認してもらった.

 あまりにも暑い日だったため大露頭の観察は中止してバスに戻った.

 バスに乗って角間キャンパスへ.

 10分ほどで角間キャンパスの建物がみえてくる.

 メタセコイア並木をぬけて総合教育1号館に到着.


 総合教育2号館の地学学生実験室でデータをまとめて地学実験終了.

  • Camera: Ricoh WG-6 Orange and Ricoh WG-4 GPS Black
  • Lens: Ricoh Lens 5-25mm, f.3.5-5.5 and Ricoh Lens 4.5-18mm, f.2.0-4.9