地学実験の記録
2023年度第2クォーター(その2:7月7日〜7月14日)

2023年7月7日:野外調査実習2(金沢市大桑)

 今日は地学実験の2回目の野外実習の日.総合教育2号館の地学学生実験室での説明ののちに学生たちとバスに乗り込んで金沢市大桑町の実習現場へ移動した.


 角間キャンパスから山側環状道路をとおって涌波の台地へ.

 涌波の台地から小径をとおって大桑町の簡易野球場方面へ.

 簡易野球場の駐車場でバスを降りてまず現在地の確認から.天気はまずまずだったがとにかく暑い日だった.正午ころの金沢での気温はこの時間帯の日本最高値だったらしい.

 学生たちと河原の露頭へ移動した.河岸の植生はふかかった.

 深い植生に覆われた河岸を抜けたところに植生がほとんどない河原の露頭がある.かつては灌木が生い茂るところだったが,台風による大洪水ですっかりなぎ払われてしまったところだ.

 化石を採集するにあたっての注意点を学生たちに伝え,それからすぐに化石参集の作業にとりかかってもらった.

 学生たちはおおきく広がった露頭の下流側に集まって化石の採集にとりかかっていた.

 日光をさえぎるものがないのでとにかく暑い.湿気も多い.TAの児玉君が学生に負けじと化石を掘っていた.

 化石床のあたりで採集を試みる学生たちもいる.上流側ではTAのRizqiaさんが学生たちを見ていてくれる.

 地層の中から化石をみつけた学生たち.このあたりに分布するのは下部更新統の大桑層.青灰色から黄褐色の極細粒砂岩からなる.

 みつけた化石はその周辺から用心深く掘っていく.

 学生たちへの教材作成用にここでドローンをあげた.河原の露頭の規模や学生たちの居場所がよくわかる.

 露頭のやや下流あたりから犀川の上流側をみる.

 真上からみた化石採集地.

 来週の実習地のようすをみるためドローンを上流側に移動させる.

 その上流側からみた化石採集地.

 このあたりでの大桑層は下流方向に約15度傾斜している.

 暑さと湿気のため予定を切り上げて午後3時に現場を離れた.

 駐車場で待っていてくれた大学のバスに乗り込んで角間キャンパスへ.

 大桑の簡易野球場をみながら涌波の道路へ.

 涌波の道路から山側環状道路へ.

 山側環状道路をとおって角間キャンパスへ.

 午後3時半前には地学学生実験室に到着した.採集した化石の乾燥の準備をととのえて今日の地学実験が終了した.

2023年7月14日:野外調査実習3(金沢市大桑)

 数日前から北陸地方では大雨が降りつづいていた.昨日になってようやく小降りになったが河川の増水が懸念される状況だった.そのため,当日の早朝のうちに実習予定地をみにいった.


 先週よりは水位が高かったが範囲を限定すれば危険なく実習ができるほどの水位でひと安心だった.

 午後1時に学生たちが地学学生実験室に集合した.今日の注意点などを実験室で伝え,大学のバスで今日の実習地へ移動した.

 山側環状道路をとおって涌波の台地にあがる.

 涌波の台地から犀川の河原へおりる.

 大桑貝殻橋のたもとでバスを降り,学生たちに現在地をまず確認してもらった.

 その後に学生たちと実習地となる犀川の河原へ降りた.

 犀川の水位は朝方よりもさらにさがっていた.これならば実習への支障はない.

 学生たちと上流へ河原を歩いた.

 新しく護岸が設置されたあたりまで河床の露頭がつづいている.

 その露頭の行き止まりのあたりで実習開始.

 いつもどおりに学生たちにはまず20分間の自由観察時間を与えた.

 そのあいだに露頭の状況を見なおしておく.軽石や石灰質のジュールの散在を確認する.

 合弁になった二枚貝の化石や巣穴跡の生痕化石.

 生痕化石がびっしりと発達する植物化石も容易にみつかった.

 このあたりに分布するのは中新統犀川層.灰色の凝灰質砂岩からできている.

 学生たちは露頭のうえで観察をつづけていた.強い夏の日差しがふりそそぐがときおりの涼風はここちよい.

 雪解け水がまじっているのか川の水は冷たかった.

 観察をつづける学生たち.TAのふたりが学生たちの動きをみていてくれる.

 ひととおりの観察が終わったところで学生たちを集めてこの地層について解説しておいた.

 学生たちと下流へ100メートルほど歩き,大桑貝殻橋の20メートルほど上流側でまた自由観察時間を設けた.

 このあたりにはアオサギやゴイサギがたくさんいる.

 この露頭に分布するのは下部更新統となる大桑層の下部.灰色の泥質砂岩あるいは砂質泥岩からなり,植物化石を多量に含むのを特徴とする.

 植物化石の破片が層をなすところもある.

 犀川層の分布地とちがってなめらかに浸食されている.

 その浸食による段差のあたりに水鳥が多い.

 ここで学生たちに不整合探しの練習を行ってもらうことにした.学生たちは露頭をときおりハンマーで叩きながら上流へ移動していった.

 そのようすをみまもるTAたち.

 ここでドローンをあげておさらい用に写真を撮った.

 上空からみると犀川層の分布地のごつごつした浸食地形がよくわかる.

 犀川層と大桑層下部の浸食地形のちがい.そのあいだに不整合面がある.

 大桑層下部の分布地はなめらかに浸食されている.

 このあたりに不整合面が位置する.

 学生たちは不整合面があるあたりに集まっていた.

 ドローンを回収して学生たちのいるところへ.

 不整合面のうえで不整合の意味や時間差などを説明した.

 さらに下流へ移動した.

 大規模な火山灰層についてここで説明.その後にサメの歯化石探しにとりかかったが,このあたりの露頭は砂泥に広くおおわれていたためすぐに断念した.

 犀川の河原から堤防へ移動した.

 護岸工事のために上り下りができる場所がかぎられている.

 大学のバスに乗って角間キャンパスへ.

 涌波の台地を蓮で移動し山側環状道路へ.

 山側環状道路から県道へ.そして角間キャンパスへ.

 角間キャンパスに到着.

 地学の学生実験室でのまとめの作業ののちに学生実験が終了.

  • Camera: Ricoh WG-4 Blue, Casio Exilim EX-F1 and DJI Mavic Mini
  • Lens: Ricoh Lens 4.5-18mm, f.2.0-4.9 and Exilim Optical 7.3-87.6mm, f.2.7-4.6