地学実験の記録
2023年度第3クォーター(その1:10月6日〜10月13日)

2023年10月6日:ガイダンス,野外調査準備(金沢大学角間キャンパス)

 今学期の履修者は定員いっぱいの18名.医薬保健学類の学生が半数以上を占めるのはめずらしい.全員が1年生だというのもひさしぶりだ.学生実験室でまずこの授業の概要を説明し,野外実習用具の配付とその使い方の説明を行った.それから,総合教育2号館前で歩測の実習を行った.


 初秋らしくうっすらと曇ったほどよい気候だったので,そのまま学生たちと角間キャンパスの散策に出かけた.

 北地区の周回道路を歩き,テニスコートやラグビー場などがある北部運動場への坂道を歩いた.

 それから角間キャンパス北地区の尾根にのぼり,ここで角間キャンパスの地形について説明した.建物の高さがほぼそろっていることや,角間キャンパスが周囲を尾根に囲まれていることにとくに注意してもらう.

 植生のために地形の全容がわかりづらいため,ここでドローンを使ってキャンパスの地形を撮影しておいた.

 学生たちとの記念写真も撮影しておく.

 大学のキャンパスとは思えない風景だ.

 北尾根から角間キャンパス北地区へ移動し,中央図書館や大学会館前の広場で観察される地盤の変状について解説した.
 学生実験室に戻って初回の実習終了.

2023年10月13日:地質調査実習1(金沢市野田山)

 秋らしいおだやかな晴天だった.学生実験室での説明のあと,学生たちと大学のバスに乗り込んで実習地となる金沢市野田山へ向かった.県道沿いの樹木はすっかり紅葉していた.


 山側環状道路を南西に向かう.浅ノ川と犀川をこえてさらに南西へ.

 大乗寺のあたりで左折して野田山へのぼる.

 公園の駐車場で下車.ここでまず現在地の確認をやってもらう.道路や地形から場所を決める技術を覚えてもらう.

 左右に竹林が広がる林道を歩いた.丘陵地の斜面にそって林道はゆるやかにくだっていく.

 しばらく歩いたところにある道路沿いの崖が最初の観察地になる.学生たちに20分間をあたえて自由に観察を行ってもらった.

 ここには高位砂礫層あるいは更新統卯辰山層の礫岩が露出する.やや円磨された礫が雑然とかさなっていて淘汰もわるい.

 学生たちにはここで礫岩や堆積岩について学んでもらい,それから林道をさらに歩いた.途中にある竹林の奥にも礫岩があることを示しておく.

 2番目の露頭も林道沿いにある.ここでも自由にまず観察してもらった.

 この露頭には下部更新統大桑層の砂岩が分布する.黄褐色の極細粒の砂岩だ.

 この露頭からは貝の化石が見つかることを学生たちにまず教えておいた.

 学生たちの観察中にドローンをあげてこのあたりの地形を撮影しておいた.実習で観察した露頭がすべておさまるように留意しておいた.

 ドローンをもどすときには観察中の学生たちの姿も見えた.

 学生たちの何人かが貝化石をみつけていた.二枚貝の印象化石だった.

 学生たちはおおよろこびでさらに化石をみつけようと露頭を叩いていた.同じような印象化石がおもしろいようにみつかっていた.

 さらに歩いて3番目の露頭へ.

 この露頭には御峰層の泥岩が露出する.ここで泥岩とは何かを理解してもらう.

 最後の露頭から大学のバスまでは歩測の練習をしながらひきかえしてもらった.

 学生たちは無言で林道を歩いていた.

 下ってきたゆるやかな林道を歩数を数えながら引き返していく.

 駐車場で待っていてくれた大学のバスに乗って角間キャンパスへ.

 野田山墓地を下り,

 紅葉がすすむ山側環状道路を走り,

 田上方面をとおって角間キャンパスへ.

 そして総合教育1号館へ.
 学生実験室で今日の観察結果をまとめてもらって授業終了.

  • Camera: Ricoh WG-6 Orange, Ricoh WG-5 Orange, DJI Mavic Mini and DJI Spark
  • Lens: Ricoh Lens 5-25mm, f.3.5-5.5 and Ricoh Lens 4.5-18mm, f.2.0-4.9