金沢市北部〜津幡町南部地域(担当:小島 淳・鈴木 聡・藤田洋平)

2001年11月20日(火) その3:津幡町南部中条町〜材木町(藤田洋平)


 国道からも見える津幡町中条の大きな露頭近くでまずは昼食をとる.そして,この右手のほうにある沢に入っていった.


 南谷地池という名の溜め池をかわしてその奥の沢にやや入る.ビール1本で酔った藤田が無駄なルートを選んでいく.無駄に登った崖をまた降りたところに凝灰岩があった.層厚30cm程度で下半分が黄白色の中粒凝灰岩で基底部には級化構造が認められる.一方,上半分は灰白色の緻密な細粒凝灰岩.上下には貝化石破片をともなう青灰色の細粒砂岩がある.OM3凝灰岩に間違いない.

 続いて国道をやや南に下ったところにある八幡神社境内の露頭.大桑層上部と思える黄褐色の細粒砂岩に泥岩の薄層が挟在する.

 3番目に訪れたのは山をぐるりとまわった浅谷付近の沢だった.植林された沢を登った途中に軽石質の青灰色凝灰岩があった.円磨の進んでいない軽石は直径が最大で2cmほど.層厚は1m以上はあるだろう.下涌波凝灰岩とよく似た岩相だ.

 続いてそのすぐ北側の沢に入る.沢をつめて左手の崖を登ったところにやはり凝灰岩が露出していた.南側の沢で見た凝灰岩よりも上位になる.

 緻密で堅い白色細粒の凝灰岩だった.不明瞭ながらも平行葉理の発達が認められる.OL2a凝灰岩によく似ている.

 しかし,崖を降りたところにもまったく同じ凝灰岩が露出していた.崖の途中にも同じものがある.層厚は8m以上に及ぶだろう.OL2a凝灰岩にしては厚すぎる.

 この凝灰岩の下限を確かめるため右手の沢に入ってみた.するとさらに下位に軽石に富む凝灰岩が見つかった.続いて上限を確かめるために沢を登ってみたところ,暗灰色の泥岩を挟んでその上位に中粒の軽石からなる別の凝灰岩が見つかった.OM4凝灰岩だろうか?

 そして本日最後の露頭となる材木町へ向かった.道路端に車を止めて果樹園の中の道路をひたすら歩いていく.その道路が大きく曲がるところにその露頭があった.白色できわめて脆弱な細粒凝灰岩があった.しかし,この凝灰岩は南側に40度と大きく傾斜している.地形や傾斜方向から判断して地辷りを被った露頭と判断した.

 すっかり日が傾いてから研究室へ戻った.

  • Camera: Konica 現場監督WB
  • Lens: Konica lens 35mm f.3.5
  • Film: Fujifilm Super 400 and Superia 400
  • Scanner: Epson FS-1200WINS