淡青丸KT00-17次航海(Leg. 1)

東シナ海〜西南日本沖太平洋(2000年12月10日〜17日:その3)


12月13日(甑島沖測線→種子島沖測線)

 午前7時すぎに起床して研究室に行くと,ちょうど甑島南沖測線でのトロール作業が終わったところだった.引き続いてドレッジ作業が始まる.


 午前10時20分からは鹿児島県の野間岬沖でドレッジ.はるか遠くに黒島らしい島影が見える.ここでのドレッジでは多量の白色軽石が採集された.入戸火砕流堆積物からの再堆積だろうか.

 午前中のうちに表層試料の荷造りを済ませ,昼食後に明日のピストン採泥の準備を始めた.まずワイヤー類の長さを確認し使う予定のものを選り分けておく.

 続いてエッジやピストンを選び手入れをしておく.エッジは右端のずんぐりした愛用のもの,ピストンは手前にあるプラスチック製をそれぞれ使うことにした.このときになって台湾付近での熱帯低気圧の出現を船長に知らされた.第二駒橋海山付近での採泥は困難だろうとのこと.午後6時までに対応策を考えて船に伝えることにした.

 午後4時前に種子島西方の観測点に到着.まずナメクジウオ採集のために小型円筒ドレッジが準備された.

 回収されたドレッジからこぼれでる海水や堆積物を赤いジャケットの窪川さんが注意深く見守る.

 堆積物は中〜粗粒の真っ黒い砂で,顕微鏡で見てみたらほとんどが輝石だった.こぶし大の石灰藻やサンゴのかけらも混じっている.

 とうとう狙いのナメクジウオが見つかる.「これがナメクジウオ」だと教えてもらったが,このときはどれがナメクジウオなのかわからずじまいだった.

 同じ測線での2回目からは1mドレッジと円筒ドレッジとがかわりばんこに使われた.採れた試料の中からはオコゼのような魚やホネガイも見つかった.

 

 午後7時にこの測線でのナメクジウオ採集が終了した.乗船研究者総出のナメクジウオ探しもこれで一段落.

 午後6時の海況予報ではピストン採泥を予定するあたりでの波高は2mを越えるということだった.そこで採泥地点を都井海丘南方の平坦面に変更することにした.ここでも目的とする柱状試料は採集できるだろう.しかし,そこで予想される波高は2m.これはピストン採泥ができるかどうかの限界だ.船長と相談のうえ午前3時に採集地点を最終決定することにし,さらに予備地点をふたつほど決めておく.そしてウイスキーを軽くあおって午後9時半にはベッドに入った.


  • Camera: Pentax Z-20
  • Lense: SMC Pentax-FA Zoom 28-80mm f.3.5-5.6
  • Film: Fujicolour Reala Ace
  • Scanner: Epson FS-1200WINS