トンレサップ湖調査2000−02

2000年8月26日〜9月12日

(10:9月8日)


9月8日(金)シェムリアプ→プノンペン

 今日はプノンペンに戻る日だ.緑くんも午後早い便でバンコクへと発つ.午前中にアンコールワットへ行ってみることにした.朝食前に試料の整理や荷物をすべて整えておく.そして朝食後の午前8時にホテルを出発した.

 まっすぐ北へのびる道路をアンコールワットへ向かう.途中の検問所をとおりぬけ道はさらに北へ.中央の5基の尖塔が見えてくる.この瞬間はアンコールを何度訪れてもいいものだ.西参道をとおり西塔門をくぐって境内の中へ.午前中のせいか観光客の姿はまばらだ.周壁を抜けると尖塔がシルエットになっていた.緑くんは感嘆の声をあげながらもシャッターを切るのに忙しい.ちょっと通路をはずれて北側の聖池のほとりにたつ.逆光に浮かび上がった尖塔群と赤い蓮の花が美しい.

 

 

 アンコールワットの中部に入る.急な階段を上り十字中回廊に到着.左右に中庭がある.回廊に林立する石の柱は風化のためどれも根元が細くなっている.

 

 

 アンコールワット第二回廊のれんじ格子.さしこむ光が美しい.

 

 急な階段を上って中央堂搭へ到着.中庭には誰が植えたのか松葉ボタンの群落があった.そして南側階段をとおって中央堂搭から第一回廊へと降りる.

 

 

 まず第一回廊南面東側の「天国と地獄」を見る.そしてこれは回廊東面南側の壁面に描かれた浮き彫り.有名な天地創成神話が描かれている.上空で舞い踊るアプサラがなんとも可愛らしい.緑くんは言葉もなく見続けている.ゾウの浮き彫りがとくに気に入ったようだ.一頭ごとに目つきが違うところがいいという.

 

 

 アンコールワットを一回りしてホテルに戻る.ここで緑くんはホテルをチェックアウト.バイヨンホテルのみなさんが名残惜しそうに見送ってくれた.マネージャーのセン・サラさん,カフェのスァトゥーナさんと緑くん,そしてフロントのスピアークさん.

  

 

 すっかり気に入ったコンチネンタルカフェでピザの昼食をとる.上智大学の田代さんもやってきてくれた.食べ残したピザは田代さんがおやつがわりに持ち帰る.そしてカフェからまっすぐシェムリアプ空港へ.彼女が無事にチェックインしたのを見とどけホテルへ戻った.そして最終的な荷造りを済ませ市場へ出かけてアセイの店でお土産を買い込んでくる.銀の名刺入れをお土産にもらった.

 午後3時にホテルをチェックアウト.それからPITトラベル事務所で車代などを支払う.懐かしい人達が見送ってくれた.専属ドライバーのナッさんにジョニーさん,そしてマネージャーのヴィチェットさん.

 

 空港へ向かう途中,臨時ドライバーのセン君が将来の夢を語ってくれる.本来のドライバーだったチュアンさんの甥にあたる彼はまだ高校生.夏休みの今は叔父の仕事を手伝っているとのこと.そして,先々にはプノンペンの大学で経済学を専攻したいという.彼の夢がかなうことを祈る.

 空港には午後4時に到着した.セン君にチップをはずんで空港の中へ.チェックインカウンターでスーツケースをはかりにのせたところ,制限の10キロをはるかにうわまわる35キロ.試料がつまっているせいだ.超過料金を覚悟したが,カウンターの女性はなんら問題ないようすで通過させてくれた.ついでに左の窓際の席をとってもらう.空港内出発ロビーで搭乗を待っていると丸井さんがロビーへやってきた.同じ飛行機でプノンペンへ戻るということだった.

 午後5時すぎに機内へ案内されその20分後に飛行機は離陸した.左手遠くにトンレサップに浮かぶクロム山が見えた.飛行機がプノンペンへ向けて旋回を始めるとアンコールトムが見えてきた.

 

 

 旋回を続ける飛行機から西バライや飛行場が見えるようになる.そして進路を定めた飛行機はシェムリアプ市上空を通過して一路プノンペンへと向かった.

 

 

 飛行機がトンレサップ湖上空へ出たあたりで視界は厚い雲でさえぎられた.そして視界がようやく開けてきたのは湖をちょうど過ぎたあたりだった.雨季の緑の大地が見える.遠くにはプノンペン周辺の洪水地帯が見えてくる.

 

 

 飛行機はコンポンチュナン上空を通過し徐々に高度を下げてゆく.トンレサップ川周辺地域はすっかり水に被われていた.遠くには蛇行するメコン河も見えてきた.

 

 

 高度を下げた飛行機からは洪水のようすがよく見えた.トンレサップ川のあちこちから濁水が流れ出している.どこから陸が始まるのかほとんどわからない.

 

 

 飛行機は午後6時にプノンペン空港に到着した.スーツケースを受け取り丸井さんが手配していた車でダイヤモンドホテルまで送ってもらう.午後6時半にホテルに到着しすぐにチェックイン.先にプノンペンへ戻っていたみなさんとすぐに連絡がとれる.午後7時からメコン河委員会の方々との会食を予定しているとのことだった.急いで着替えてロビーで待っているとすぐにみなさんが現れた.遠藤さんもだいぶ元気になられたようだった.また,ロビーでは古くからの友人ラオ・キム・リァンさんとも会えた.

 午後7時,メコン河委員会に勤務する堀米さんにトンレサップ川河畔のレストランにご案内いただく.そして調査隊全メンバーにメコン河委員会の日本人スタッフ桝本さんと寺村さんもまじえての会食となった.午後9時にホテルに戻ったらフロントには昔なじみのソファープさんがいた.しばらく立ち止まって彼にプノンペンの最近の社会情勢やらカンボジアの経済状況などを教えてもらう.それから部屋へ戻りシャワーを浴び就寝.