トンレサップ湖調査TS21−1
2000年11月18日〜12月5日
(その8:11月26日)
11月26日(日):シェムリアプ
今日は湖で採った柱状試料を開封する日だ.普段よりやや遅い午前6時半に起床して朝食をとる.ワゴン車で湖での採泥に向かう表層採泥チームを午前7時すぎに見送り,残る5名ですべての試料をかかえて車に乗り込んだ.
途中の市場で水やティッシュペーパーなどを買い込んだため,研修所に着いたのは午前8時半になっていた.日曜日とあって所内には誰もいない.作業室中央にある大きな机を確保し,それから試料を開封する手順を説明し全員で流れを確認しておく.まず5番の試料から開けることにした.コアを密封するビニール袋を慎重にとりのぞく.
開封が終わった5番の試料.96年の調査で採った試料とほぼ同じ堆積物が現れる.試料のサンプリングを尾田さんたちにまかせて記載に取りかかった.
尾田さんとダラスとが慎重にサンプリングを進める.ナリンとサンバースはサンプル袋の準備や整理に回る.
柱状試料を1センチごとに切り分け,ひとつひとつをサンプル袋に封入する.根気のいる作業だ.そのうちに手順を覚えたナリンが尾田さんに替わった.
老眼の尾田さんやダラスよりも若いナリンのほうが手際がずっといいし作業も確実だ.長老二名は指導役になる.
午前11時半に1本目の試料の開封作業が終わった.ひきつづいてわりと短い1番の試料を開け終える.そして1時間ほどかけてアルンレストランで昼食をとり,休む間もなく午後の開封作業に取りかかった.
午後5時までかかって7本の試料を開けることができた.しかし,いずれの試料もわりと短くて簡単に終えることができるものばかり.長い試料はまだ密封されたままだ.試料はこれからさらに増えてゆく.日程の工夫を考えながら研修所をあとにした.
ホテルへ帰ってみたら表層採泥チームはもうとっくに戻っていた.神谷さんの部屋をたずねる.表層採泥は大成功だったらしい.乾季には陸化する水域からたくさんの試料を採ったということ.満足そうな笑みが浮かんでいる.この報告に安心して部屋へ戻った.
ちょっと休んだあとで市場へでかけた.ヨーロッパ風カフェでエスプレッソコーヒーとレモンタルトをまず味わう.それから市場で土産物などを見て回る.日曜日のせいか観光客はあいかわらず多い.どの店も繁盛しているようだ.
夕食は丸井さんを招待してサマピアップレストランにでかけた.この店はいつも客が多い.数年前の大改装でかつての素朴な雰囲気は失われてしまったが,広々とした客席ではたくさんの団体客が食事を楽しんでいる.日本人グループも多い.食後は丸井さんを誘って午後にコーヒーを飲んだカフェへ行った.こんどはチョコレートタルトに挑戦してみる.なかなかうまい.こんなものが味わえるのだからこの街も変わったものだと改めて感じる.午後10時半に部屋へ戻り,シャワーを浴びたあとで明日の観光用にカメラの手入れをしておいた.今回の主力機はペンタックスのMXとMZ3.MXはほとんどの海外調査に同行している.MZ3は3度目の海外になる.
部屋でビールを飲みながら柱状試料の記載結果を清書しておく.明日は休みなので気が楽だ.ついでにノートにもざっと目をとおしているとすっかり遅くなってしまった.午前1時になってようやくベッドへ.
Camera: Pentax MZ-3 and MX, and Fuji Caldia Mini Tiara Lense: SMC Pentax-FA Zoom 28-80mm f.3.5-5.6 and SMC Pentax-M 40mm f.2.8 and Super EBC Fujinon 28mm f.3.5 Film: Fujicolour Reala Ace, Pro 400 and Superia 800- Scanner: Epson FS-1200WINS