トンレサップ21打合せ渡航(Tonlesap21A)

2000年6月18日〜6月25日(その2:6月23日の1)


6月23日(金):プノンペン→シェムリアプ

 午前4時に起きてまず調査用の機器や写真機をそろえる.それから朝食にしようと階下のレストランに降りたところ,そこでは従業員たちが簡易ベッドで熟睡中だった.申し訳ないとは思いつつも声をかけて朝食を準備してもらう.朝食を待っているときに同じ便でシェムリアプへ戻る田代さんが早々とやってきた.寝ぼけ眼の従業員が彼女も宿泊客だと勘違いしたらしくもう一人分の朝食を運んできてくれた.

 朝食を終えて午後5時すぎにティラのタクシーでポチェトン空港へ.この時間帯なので空港にはすぐに到着した.搭乗機のVJ320便にチェックインししばらくロビーで待たされたあとの午前6時15分に飛行機はシェムリアプへと離陸していった.大気は澄んでいた.ゆるやかに蛇行するメコン河や直線的なトンレサップ川が朝日に照らし出されている.雨季のまだ始めとはいえ大地のあちこちが水浸しになっている.


 特徴的な二重蛇行をみせるトンレサップ川の中ほどあたり.いくらかの水はあふれ出しているものの水位はそれほど高くはないようだ.そこをすぎるとトンレサップ川はいくつもの小さな河道に分かれる.

 

 トンレサップ川とトンレサップ湖との会合部がみえてきた.乾季には湖の水が流れ出し雨季には湖へ川の水が流れ込むところ.ここではセン川も北からトンレサップ川に流入する.複雑な形状の三角州がよくみえる.これほどよくみえるのは珍しい.


 三角州には水路が網の目のように複雑に走っている.三角州の南側ほど長く湖の中に突出しているところをみると,堆積物の流入はおもに湖南岸に沿って発生しているようだ.すぐにトンレサップ湖の南部がみえてくる.

 トンレサップ湖がぐっとくびれる中央部あたりの北東岸.ここにはトンレサップ湖に付随する小さな湖がある.その周辺からトンレサップ湖にかけての地表面には複雑な水路が形成されている.ここは野鳥の楽園として名高いところでもある.

 北西へ進んでいた飛行機が北へ進路を変えた.それと同時に高度もだんだんと下がってきた.地表に刻まれた天然の水路網がとてもよくわかる.

 シェムリアプ川河口あたりで飛行機は陸地の上空へと入っていった.真下にみえる森の一部は浸水しはじめているようだった.

 遠くに水をたたえた西バライがみえる.そして緑に包まれはじめた大地を見下ろしながら午前6時45分にシェムリアプ空港に到着した.

 あずけた手荷物がないので空港からはすぐにでることができた.群がってくるタクシーの運転手たちの中から感じのよさそうなひとりを選び,彼の車でトンレサップ湖へ向かう.田代さんも一緒にくることになった.

  • Camera: Pentax MZ-3
  • Lense: SMC Pentax-FA Zoom 28-70mm f.4
  • Film: Fujicolour Reala Ace and Pro 400
  • Scanner: Epson FS-1200WINS