南タイの津波堆積物,大気汚染,およびカンボジアEMSB渡航

2006年2月25日〜3月14日(その2:2月27日)


2006年2月27日(月):プーケット→カオラック

 午前6時前に箕浦さんたちが帰国していった.そして午前7時にプーケットのホテルをDMRの車で出発.荒木,東北大の柳澤君,そしてDMRのパサコーンが一緒だ.海岸沿いの道路を北上してパンガー州に入る.午前8時40分にカオラック海岸に到着.


 ここで柳澤君が落としたノートを捜しにパサコーンとともにマングローブ林に入っていった.

 待っている時間に荒木ともども海岸付近を見て回る.

 1年前の津波の痕跡は海岸にはほとんど見あたらない.

 小さなカニが作り出す砂模様が浜一面に広がっていた.

 爬虫類が尾をひきずって歩いたらしい痕もある.

 2時間近くもたってから柳澤君とパサコーンが戻ってきた.ノートは見つからなかったようだ.あきらめてまずホテルに戻ることにした.

 近くの食堂での昼食ののちにアンダブリリゾートホテルにチェックイン.宿泊料金は津波前の金額に戻っていた.復旧しつつある証拠だろう.

 部屋に荷物を下ろして午後1時にふたたび海岸へ向かった.10分ほどで到着.パサコーンが調査用の船をすぐに見つけてくれた.

 マングローブ林へ入るふたりと別れて荒木と船に乗り込んだ.彼にとっては初めての海洋調査になる.うねりがやや高い.

 設定した5本の測線のうちもっとも南側のラインXへまず向かった.柳澤君が調査しているマングローブ林のすぐ沖合になる.

 まず測深.データのない海域なので水深を合わせるのに苦労する.そして採泥器を投入.

 採泥器を回収.

 このラインでは石灰質に富む粗粒堆積物が回収された.

 沖へ向かうにつれてうねりが高くなる.水深20mの試料を採集後,すぐ北となるラインWへ移動した.津波石が散在する岬沖の海岸がだんだん近づいてくる.

 水深5mの地点で採泥を試みてみたが何もとれなかった.採泥器をふたたび投入してみたところ海底の岩石らしいものにひっかかってロープがあやうく切れるところだった.ここでの採泥をあきらめて次の10m地点へ向かう.

 荒木はだんだんと舟に酔ってきたようだ.生あくびが出はじめている.気を紛らわすように海岸をじっと見つめたりする.

 沖へ向かうにつれてうねりがまた高くなった.

 うねりに足を取られながらも採泥を続ける.このラインでも同じような石灰質に富む粗粒堆積物が回収された.

 荒木はだんだんと船に慣れてきたようだ.退屈しのぎにタイ語を本で勉強し始めていた.船上で読書ができれば立派なものだ.午後4時,ラインWでもっとも沖合となる水深20mの堆積物を採集したところでこの日の作業をおしまいにした.

 船を海岸に戻す.津波石群が左手後方に遠ざかっていく.

 海岸には砂にはまりこんだ車を押している一群がいた.後輪がすっかり砂に埋まっている.人力での脱出は不可能に見えた.

 午後4時45分に海岸に到着する.ここで船を下りて膝まで海水に浸りながら海岸へ.

 海岸ではさまざまな堆積構造を見ることができた.海岸近くの売店でビールを飲みながら待っているとパサコーンたちがすぐに車で迎えにきてくれた.

 午後6時前にホテルに戻る.シャワーをまず浴びて一休み.

 午後7時から近くのレストランで夕食.ここでパサコーンがいっきに満開.その後に訪れたホテル近くの喫茶店は欧米人であふれかえっていた.

−2月27日の観測ライン−


  • Camera: Sony Handycam PC120 NTSC, Pentax Optio WPi and Pentax MZ-30
  • Lense: Carl Zeiss Vario-Sonner 4.2-42mm f.1.8 T*, SMC Pentax Zoom 6.3-18.9mm f.2.6-4.8 and SMC Pentax-FA Zoom 28-70mm f.4
  • Film: Fuji Reala Ace
  • Scanner: Canon Canoscan FS-4000US