カンボジアのメコン河音波探査等渡航

2006年4月15日〜4月26日(その4:4月18日)


2006年4月18日(火):シェムリアプ→プノンペン

 朝だというのに静まりかえったタプロームホテルのロビー.レストランで朝食をとる客の姿もほとんどない.カンボジア正月はやはりクメール人のものだと実感する.


 早朝の散歩.通りかかったオールドマーケット近くでバンコク行きのマイクロバスをみかけた.タイ国境で大型バスに乗り換えて9〜12時間の行程だという.しかし料金は片道13ドルと安い.外国人観光客しか利用しないようだ.

 午前8時から遺跡整備機構水・森林部門で今後の調査体勢についての打合せ,引き続いて午前10時から同住民発展部門で打合せ.ホテルへの帰りに立ち寄った国道沿いのお寺周りには放鳥のかごが並んでいた.

 ホテルへいったん戻って荷物を置いてから市場近くのレッドピアノで軽めの昼食.乾季の終わりだというのに天井のファンだけで十分に涼しい.

 午後はホテルで資料の整理と荷造りで過ごす.

 午後3時にホテルをチェックアウト.ペンの車で空港へ向かった.

 20分ほどでアンコール・シェムリアプ国際空港の国内線ビルに到着する.遠くに建設中の国際線ビルがみえる.これが開業したら今の国際線ビルが国内用になるという.

 プノンペン行きシェムリアプ航空FT995便にチェックイン.出発ロビーでしばらく待たされたあと,午後4時半に搭乗した.

 高翼式なのでどの席からでも視界はいい.空港の管制塔を左手に見ながら滑走路へ.ヴェトナム航空機はいつもこの位置にあるような気がする.

 午後5時10分前に飛行機は西へ向かって離陸した.遠くにプノン・クロムの小山塊が見える.

 しかし飛行機はすぐに大きく左へ旋回した.シェムリアプ郊外の田園地帯が真下に広がる.

 左手遠くに西バライ,続いてアンコールワットが見えてきた.

 赤外線に切り替えるとアンコールワットの環濠やアンコールトム,そしてプノン・バケンが一望となった.眼下にシェムリアプ市街を見ながら飛行機は南東へ進路をとる.

 通常光でもシェムリアプ市街はよく見える.シェムリアプ川の流路などもよく観察できる.

 シェムリアプ市街地東方の田園地帯上空にさしかかった.

 矩形にきれいに規格化された田畑がある.それにそって住居がならびところどころに貯水池も見える.

 飛行機はロリュオス遺跡の上空をかすめるように通過した.

 小河川に沿って樹木が茂り住居が並ぶ.

 これはロリュオス川だろうか.やけに直線的なのが気になる.

 通常光では植生がぼんやりと見えるだけだった.

 蛇行する小河川が見えてきた.放棄された河道の形状もほぼわかる.

 地形がだんだんと単調になってくる.湖岸に近づきつつあるようだ.

 正確な長方形の水田らしきものが見えてきた.通常光でもその形状がよくわかる.

 小さな貯水池があちこちに見える.黒い筋は運河だろうか.

 通常光に切り替えてみたがやはり情報は少ない.

 そこでふたたび赤外線に切り替えた.

 この丸くて植生の乏しい部分はいったい何だろう.

 湖畔に特徴的な植生や水路のようなものが見え始めた.

 そしていきなりトンレサップ湖の湖岸が現れた.河口付近には水上住宅群が並ぶ.湖に向かって網が直線的に延びる.

 陸域には水路や小湖沼が複雑に発達する.

 人工的に作り出されたと思えるような小湖沼もある.

 ゆるやかに蛇行するセン川が見えてきた.トンレサップ湖へ流入する河川群のなかではもっとも規模が大きい川だ.

 セン川の東方には河川や湿地帯が複雑に絡み合うところがある.トンレサップ川のすぐ北側になる.

 水路がいったいどう連絡しているのかよくわからない.

 トンレサップ湖のすぐ南にあってトンレサップ川の北に平行に位置する小湖沼が見えてくる.

 そしてトンレサップ川が見えてきた.

 このあたりの直線的な河道地形は独特のものだ.

 しかしすぐに複雑な網状となる.

 川の両側には水田が発達する.

 コンポンチュナンのかなり手前で飛行機はトンレサップ川から離れ始めた.

 眼下には小丘陵が見えるようになる.

 直線的に伸びるのは道路だろう.住宅らしいものが小さく並んでいる.

 蛇行するトンレサップ川が遠くに見えていた.ちょうどコンポンチュナンのあたりになる.その上空には雨雲らしきものが広がり始めていた.

 雨雲が飛行機の方へだんだんと近づいてくる.地表には複雑な微地形が広がる.

 トンレサップ川がふたつに分かれて平行して蛇行するあたり.

 そして川は1本になってプノンペンの方向へ流下する.

 飛行機は直線的に流れるトンレサップ川とほぼ平行に飛んでいた.雨雲は無事にかわしたようだ.

 飛行機が高度をだんだんと下げるにつれて地表のため池や住宅などがよく見えるようになってきた.

 ここで飛行機は左に旋回してプノンペンへ機首を向けた.

 道路と水路に沿って植生が連続する.

 そのところどころに住宅の密集地もある.

 高度が下がるにつれて通常光でも地表のようすがよくわかるようになってきた.

 プノンペン西方の田園地帯上空を通過.

 水路がまっすぐに地表を走る.住宅の規模がだんだん大きくなってくる.

 正方形に規格化された水田地帯の上空にさしかかる.

 ここで飛行機は高度を思い切り下げた.

 地面がどんどん近づいてくる.

 トゥールコックのロータリー上空を通過.

 午後5時45分にプノンペンのポチェトン空港に到着した.

 到着ロビーであずけたスーツケースを受け取って空港の外へ出た.そこで待っていてくれたシャイの車でプノンペン市内へ向かう.

 クメール正月明けとあって,地方からプノンペンへ戻ってきた人々がバスやトラックの荷台に重なり合うように載っている.

 午後6時15分にダイヤモンドホテルに到着し206号室にチェックイン.ホテル近くの青葉食堂での夕食ののち,午後8時半に日本から到着したばかりの斎藤さんたちとホテルのロビーで落ち合った.明日の予定についての打合せののち,タイDMRのヨンユットさんとホテル近くの屋台でビール.そして就寝.

  • Camera: Sony Handycam PC120 NTSC, Pentax Optio WPi and Pentax MZ-S
  • Lense: Carl Zeiss Vario-Sonner 4.2-42mm f.1.8 T*, SMC Pentax Zoom 6.3-18.9mm f.2.6-4.8 and SMC Pentax-FA Zoom 28-105mm f.4-5.6