土木建設工学科講義「地質学概論」の記録(2)
2004年度後期(10月19日:金沢市大桑町の犀川河床)

 第二回目の講義も野外実習として犀川で実施した.今回の課題は「大桑層に凝灰岩を探せ!」である.凝灰岩の土木工学的意味や地質学的な意味をそれぞれ資料にしたがって説明し,凝灰岩の岩相の特徴を説明したうえでさっそく凝灰岩探しにとりかかってもらった.犀川の水量はあいかわらず少なかったが,いまにも降り出しそうな空模様が気がかりだった.


 学生たちは最初は大桑貝殻橋から河床を眺めていたが,じきに目星をつけたあたりの河原へ降りていった.一部の学生たちは川沿いに走る道路の切り割りを見にいった.

 道路沿いの露頭ではふたりの男子学生がさっそく凝灰岩を見つけだしていた.ただ,地形を見るかぎりでは転石の可能性が高そうだ.

 同じ切り割りのさらに右手で3人の女子学生グループが明らかな凝灰岩層を見つけた.どうやら先週の地学実権でTAたちが削りだしていたものらしい.

 河原へ引き返すと橋のやや上流側に学生の一群があった.

 下流側にも何名かがいる.まず下流側へ降りてみたら,彼らはO1凝灰岩のスケッチをとっているところだった.

 この凝灰岩は大桑の河原ではもっともわかりやすいものだろう.水位が低いおかげで凝灰岩層が水際まで追跡できる.

 上流側へ行ってみると別の一群がOP凝灰岩の記載をしていた.

 堅くて緻密なこの細粒凝灰岩は,一見しただけでは泥岩にも見える.

 技術員の陰地章仁が右岸に軽石の密集層を見つけだした.しかしOP凝灰岩の下位にあるはずのOV凝灰岩は見つからない.水没しているのだろうか.

 凝灰岩を3枚見つけた学生たちはレポートを提出して次々に立ち去っていく.

 残った学生たちは橋の下流側にあるO1凝灰岩を思い思いのところで調べている.

 河原に散らばった学生たちで凝灰岩が追跡できる.

 講義終了.天気はどうやらもってくれた.そしてこんなところにもクマ出没の貼り紙を見つけた.

  • Camera: Fuji BigJob DS-270HD
  • Lens: Supe EBC Fujinon 6.2mm f.2.8