地学実験の記録
2004年度前期(その2:5月7日〜6月4日)

5月7日:古生物学実習(1:貝化石の成形と鑑定:地学学生実験室)

 海外出張中.共同担当者の加藤道雄さんが前回の野外実習で採集してきた貝化石の成形と鑑定の実習を行った.(撮影:陰地章仁)

 

 
 

 
 

5月14日:古生物学実習(2:介形虫化石の鑑定:地学学生実験室)

 海外出張中.特別研究員の田中源吾君が介形虫についての講義と鑑定実習を行った.(撮影:陰地章仁・大植靖士)

 

 
 

 
 
 

 
 

 
 

5月21日:地質図学実習(2:地学学生実験室)

 海外出張中.技術員の陰地章仁君が地質図学実習をやってくれた.


5月28日:野外調査実習(2:金沢市大桑の犀川河床)

 いつもの地学実験では第一回目の実習場所になる野田山に2度目の野外調査実習にでかけた.野田山墓地付近でバスを降り,このルートを選んだ目的について簡単に説明したあとすぐに実習にとりかかる.そして受講生たちを道路際の露頭にまず案内した.


 ここには淘汰不良の段丘礫層が露出している.露頭の風化も著しい.この露頭を受講生たちにしばらく観察してもらう.TAの佐藤さんがときおり指導してくれる.

 礫とは何か,礫岩とは,そして礫岩をどうやって観察するか,などについてここで説明する.

 林道をくだってふたつめの露頭へ向かう.5月も末とあって山の緑が濃くなっていた.

 道路際の竹林の中へ入る.ここにはやはり風化の進んだ砂岩がある.赤褐色の細粒砂岩は大桑層上部の典型的な岩相だ.ここで砂岩について説明する.

 砂岩についての説明のあと,最初にみた礫岩との境界をみてもらうため受講生たちには露頭を上につめてもらった.足下が不案内ながらも全員が無事に登ってきた.

 林道をさらに下って別の露頭にも登ってみる.ここにも礫岩と砂岩との境界が露出している.先の露頭との高さの比較から,この礫岩がほぼ水平に分布していることを受講生たちに説明する.

 林道をさらに下るとあのコンクリート壁に到着した.ここで5分間の休憩.

 そして4つ目の露頭となる御峰層の泥岩に案内する.ここでは泥岩とは何か,どのように観察するか,などについて説明し,その後は受講生たちにこの露頭を好きなように観察してもらった.

 TAの佐藤さんが泥岩に含まれる底生有孔虫化石についてや,挟在する凝灰岩についてしどろもどろながらも説明する.

 5つ目の露頭は下荒屋層の粗粒凝灰岩.これまで雨が続いていたせいか道路際の切り割りが大きく崩れていて,そこではきれいな堆積構造を見ることができた.

 最後に川沿いにある下荒屋層と朝ヶ屋層との境界を見にいった.川の水は比較的少ない.何人かの受講生は対岸へ渉って露頭を実際に叩いてくる.

 そしてバスの待つ十字路へ.

6月4日:野外調査実習(3:金沢市上辰巳の犀川河床)

 金沢市上辰巳の犀川上流へ実習にでかけた.すばらしい好天に恵まれる.川沿いの崖をそろそろと伝い歩いて最初の露頭へ到着した.ここには中新統砂子坂層が露出する.日本海形成初期の堆積岩だ.


 まず受講生たちには思い思いに露頭を観察してもらう.何人かが化石を見つけ出していた.

 この地層や化石の説明は技術員の陰地君とTAの山崎さんに頼んだ.その間に4年生たちは,受講生が川を安全に渉ることのできるルートを捜しに対岸へ行く.

 そして地層の説明などを終えてこの露頭をあとにした.

 4年生が探したルートで川を渉り対岸から露頭を眺める.

 そこから川を下って河床に露出する断層について説明する.

 ここでいったん川から離れて下流にある巨大な崖へ受講生を案内した.

 砂子坂層に発達する斜交層理や液状化堆積物を対岸から眺め,それから河原に落ちている七曲層の凝灰角礫岩を観察してもらった.あの見事な転石はまだあった.

 転石の風化は進んでいたが,それでも見事な堆積構造はそのままだった.見上げる空には飛行機雲.

 川をさらに下ってこの日最後の露頭にたどり着く.

 凝灰質泥岩のこの露頭は植物化石を多量に産出する.

 観察が終わるころになって4年生たちが戻ってきた.上半身はなぜか裸だ.

 彼らに導かれながら受講生たちは川を渉っていった.

 そしてバスにのって角間キャンパスへ.陰地君のこの行動の意味は不明.

  • Camera: Fuji BigJob DS-270HD and Casio G.Bros GV20
  • Lens: Super Fujinon 6.2mm f.2.8 and Casio Lens 4.6mm f.2.8