地学実験の記録
2006年度前期(その2:5月26日〜)

2006年5月26日:地質図学実習(2:水系図と空中写真)

 野外調査実習のつもりだったが実習地として予定していた金腐川の増水が著しいため室内実習に変更した.地形から地質構造を読み取る実習をやってもらう.地形図や空中写真についてまずざっと説明し,地形図から水系を抽出する作業,そして空中写真からリニアメントを読み取る作業についての手順や意味を説明したうえで作業にとりかかってもらった.


 途中までできあがったリニアメント図と水系図.まだまだ不十分.残りは次回までの宿題ということで午後5時に解散.

2006年6月2日:野外調査実習(4:金沢市大桑) ※南タイ出張中

 共同担当者の加藤さんに大桑町の犀川河原で貝化石採集を指導していただいた.


2006年6月9日:古生物学実習(1:貝化石の整形) ※カンボジア出張中

 前回採集してきた貝化石のクリーニング実習があったようだ.実験室にはきれいに整形された貝化石とその名残とが残されていた.


2006年6月16日:岩石学実習(1:岩石薄片試料の作成)

 地質図学実習の予定を変更して岩石薄片試料の作成実習を行った.手順についておおざっぱに説明したあと,さっそく回転研磨台で試料の研磨作業に入ってもらった.今日の試料は宝達山のカコウ岩.研究室の新4年生やTAたちも作業に加わる.


 試料としたのは宝達山のカコウ岩.粗磨りのあとはガラス板上で中磨り,そして仕上げ磨り.

 磨き上げた面をレーキサイドセメントでスライドグラスに接着する.受講生たちはみんななかなか器用だった.

 そして試料の反対側の研磨作業に入る.

 偏光顕微鏡で厚さを確認しながら作業を進める.午後7時にほぼ全員が作業終了.

2006年6月23日:岩石学実習(2:岩石薄片試料の作成)

 前回に引き続いて岩石薄片試料の作成実習を行った.試料となるのは七曲層の玄武岩.前回と同じ作業とあって受講生たちは手慣れたようすで作業に入っていった.


 粗磨りから中磨り,そして仕上げ磨りと順調に作業が進んでいく.

 スライドグラスに磨き上げた試料を貼り付ける.

 そして反対側の研磨作業.

 中磨り,そして仕上げ磨り.偏光顕微鏡で薄片の暑さをときおり確かめる.

 やや色は残っているがまあまあのできだ.ケースに並べて作業終了.次回は鏡下観察実習となる.

2006年6月30日:岩石学実習(3:岩石薄片試料の鏡下観察)

 2回にわたって作成した岩石薄片試料の鏡下観察を実施した.偏光顕微鏡の仕組みや使い方を説明し,それからすぐに実習に入った.


 まず初日に作ったカコウ岩の薄片から.形状や特徴から構成鉱物のひとつひとつを鑑定する.

 そして鏡下観察結果をケント紙にスケッチする.

 続いて2日目に作った玄武岩試料の観察に移行した.

 斑晶の配列にとくに留意してもらう.

 同じようにスケッチで観察結果を示す.
 午後6時に実験終了.

  • Camera: Casio G.Bros GV-10, Pentax Optio S4
  • Lens: Casio Lens 4.6mm f.2.8 and SMC Pentax Zoom 5.8-17.4mm f.2.6-4.8