地学実験の記録
2010年度後期(その2:10月22日〜11月12日)

2010年10月22日:土質力学実習(1:金沢大学角間キャンパス) ※インドネシア出張中

 共同担当者の高原さんによる土質力学実習の1回目.角間キャンパスをあちこち歩きながらの地盤の実例見学.まず実験室内で今日の実習内容の説明から.以下,写真撮影はTAの三宅正彦君.


 南地区にある総合教育棟をでてアカンサスインターフェース(連絡橋)へ.

 キャンパス中地区で敷石の変形の観察.

 こうしてあらためて見せられると意外なほどにでこぼこだ.

 アカンサスインターフェースから調整池を見おろす.

 手すりのずれをみてから下の階へ降りる.

 金沢大学中央のバス停方面へ.

 ここでは階段の変形の説明があったようだ.

 そこから北地区の周回道路に沿って歩き・・・

 道路のひび割れをみながら北地区の運動場へあがる.

 ここでひと休み?

 運動場から周回道路へ引き返し・・・

 駐車場からキャンパス全体をみわたして実習終了.

 最後は実験室でデータのとりまとめ?

 

2010年10月29日:野外調査実習(3:大桑町) 

 台風14号が接近中で天候があやぶまれたが, いまにも降り出しそうな空模様ながらも予定どおり野外実習にでかけることにした.午後1時ちょうどに学生実験室を出発.大学のマイクロバスで犀川の実習地へ向かう.


 紅葉がなかばにさしかかった木々をながめながら山側環状道路へ.

 涌波トンネル前で小立野台地へあがり,そこから犀川へ狭い道路をくだっていく.

 犀川の実習地に到着後はまず現在地の確認から.犀川の水位はここしばらく雨が降り続いたにしてはずいぶん低かった.

 学生たちとともに河原へ降りて上流へ向かって歩く.

 もっとも上流側となる露頭で実習開始.学生たちにはまず自由に地層を観察してもらった.ここに露出するのは中新統犀川層の青白色の凝灰質砂岩だ.白い貝化石や黒い植物化石が表面に散在する.

 人頭大の石灰質ノジュールもあちこちにある.

 学生たちはあちこちを思い切り掘り返していた.新鮮な青灰色の凝灰質砂岩が現れてきた.

 貝化石や単価植物化石もみつかっていた.約30分間の観察終了後,ここでみつかる化石や岩石,犀川層について説明し,それから次の露頭へ移動した.

 約100mほど下流側へ移動する.ここに露出するのは下部更新統大桑層の下部になる.暗灰色の砂質泥岩からなり,多量の植物化石を含んでいる.露頭表面が黄色くまだらに染まっているのが特徴的だ.

 ここで大桑層の岩相や地質時代について説明し,それから学生たちには下位の犀川層と上位の大桑層との不整合探しをやってもらった.

 学生たちは露頭を叩きながら上流へだんだん移動していった.約15分後,それぞれが不整合と判断する場所に立ってもらう.

 ここが正解の不整合.ここで河床に段差ができていること,上下で岩相が異なること,基底礫岩があることなどを解説する.

 さらに下流へ移動して大桑層下部に挟在する火山灰層を説明する.

 水位が低いおかげで2枚の火山灰層がとてもよく観察できた.

 その後は出発時間までこのあたりでときどきみつかるサメの歯の化石探し.しかし,残念ながらひとつもみつからずに制限時間が終わった.

 午後3時ちょうどに河原を離れてバスへ移動する.

 山側環状道路を角間キャンパスへ.道路沿いにあった海鮮どんぶり屋がいつのまにかタイヤの販売店に変わっていた.純和風の建物の中にぴかぴかのアルミホイールが並ぶのは異様だ.

 そして紅葉をふたたびながめながら角間キャンパスへ.

 午後3時半に実験終了.

2010年11月5日:※大学祭のため休講

 


2010年11月12日:地形図学実習(1.地学学生実験室)

 バスを使っての最後の野外調査実習の予定だったが朝からの雨のため実験室内での図学実習に変更した.黒板を使って地形図とは何か,等高線とはどのようなものかを説明し,それから地形図学の練習問題にとりかかってもらった.


 立体的に考えるためのお菓子も準備しておく.

 学生たちはなれない作業に頭をかかえながらも練習問題をひとつずつ終えていく.

 それにしても寒くなってきた.実験室の中央に大型ファンヒーターを出すことになった.

 新人TAの金児君にはベテランTAの三宅君がつきっきりで指導する.しかし・・・金児にはセンスがないのかも.

 受講生たちのほうがよほどてぎわよく作業を進めていた.

 完成した練習問題とそれをわかりやすく示すための紙モデル.

 終了時間をすぎた午後4時半近くになって最後のひとりが作業を終えた.

  • Camera: Pentax Optio S4 and Optio W90
  • Lens: SMC Pentax Zoom 5.8-17.4mm f.2.6-4.8 and 5-25 mm f.3.5-5.5