地学実験の記録
2020年度前期後半(その2:7月10日〜7月17日)

2020年7月10日:地形図学実習2(総合教育2号館地学学生実験室)

 前回の実習にひきつづいて犀川での地質調査実習の予定だったが朝から雨が降りつづいていた.早朝のうちに大桑町の実習予定地を見にいったところ犀川の水量は多めだった.


 露頭面は灌水こそしていなかったが,犀川の流れははやく,少しでも増水したら露頭面まで水がきそうだった.

 そのため,学世辞実験室での地質図学実習に予定を変更した.角間キャンパス周辺地域の水系図を描いてもらい,それにもとづいて,地形から地下地質構造を読み取る実習を行った.

 以下,学生たちが作った水系図.

 

 

 

2020年7月17日:野外調査実習2(金沢市大桑町)

  午後いっぱいはなんとかもってくれそうな天気だった.総合教育2号館の地学学生実験室での説明ののち,角間キャンパスから大学のバスで大桑町の実習地へ移動した.


 7月もなかばをすぎたとあって植生が濃くなっていた.ここしばらくの雨の影響なのか,犀川の水量はいつもよりやや多めだった.

 河床をまず上流側に歩いた.いつもならば全面が離水しているところだが今日は半分ほど水没していた.

 ここで学生たちに約20分間の自由観察時間をあたえた.地層を観察して気付いたことはなんでも記録するように指示した.

 このあたりに露出するのは中新統犀川層.凝灰質砂岩からなり炭化した木片や貝の化石,白色軽石などを含んでいる.

 学生たちは離水した露頭一面に広がって観察をつづけている.

 掘ったり叩いたり削ったり・・・・.

 GS系地学の田中君が砂金の採集を試みてくれた.うまくいったら露頭観察後に学生たちに砂金取りを経験してもらう予定だ.

 自由観察時間の終了後,露頭のうえで犀川層について解説し,含まれるものから当時の自然を復元する手法について説明した.その後に全員で下流側へ移動した.移動の途中で石灰質ノジュールについても説明しておいた.

 下流側には下部更新統大桑層の下部が露出する.植物破片にとむ砂質泥岩からなる地層だ.

 不整合と整合について学生たちに説明し,大桑層と犀川層との不整合探しをはじめてもらった.学生たちは足下の地層をみながら上流側へ引き返していく.

 ここでドローンをあげて河床のようすを撮影しておいた.学生たちの動きがよくわかる.

 不整合の位置も水位が高いだけによくわかる気がする.

 不整合の位置.

 学生たちはおおよそ不整合の位置に到着していた.

 不整合の具体的な位置を解説し,その面をはさんでの岩相の違いなどを説明しておく.

 ここで担当を田中君に交代した.犀川での砂金採集について彼がていねいに説明してくれた.

 その後は数名ずつのグループに分かれて砂金の採集がはじまった.植物の根っこを洗うとよくみつかるらしい.

 田中君が熱心に説明してくれる.

 ここでもドローンをあげてみた.

 ひとあし先に現場をはなれて駐車場で待っていてくれた大学バスをよびにいく.

 大学バスに乗車して角間キャンパスへ.

 

  • Camera: Ricoh WG-4GPS (B) and Olympus FE-220D
  • Lens: SMC Pentax 4.5-18mm f.2.0-4.9 and Olympus Lens 6.3-18.9mm f.3.1-5.9